各種建築物の工事にあたり、設計から施工まで、すべての工程に携わります。地震の多い日本では、ここ最近特に、「耐震強度」の厳しいルールが定められています。そういった安全面を前提として、お客様の希望に沿った建物を設計していきます。
どんな建築物をつくる際も、必ずお客様には「こんな建物にしたい！」「こんな使い方をしたい！」といった理想や夢があるもの。その期待通りに、時にはその期待を超えて、理想や夢をカタチにするのが、設計のお仕事です。

高層ビルやマンション、学校や工場など、担当する案件のジャンルは多岐にわたります。活躍のフィールドは、設計事務所をはじめ、建設会社や住宅メーカーなどが多く、経験・実績を積み重ねれば、個人の事務所を持つ道もひらかれていきます。

建築物の設計図を描くことに始まり、その設計図をもとにして、建築現場で指揮・監督をするとこまで、多岐にわたります。

仕事の流れとしては、お客様からの要望をヒアリングすることから始まります。
「どのような用途で、どのような建物・空間にしたいのか」「予算やその他のこだわりポイントは何か」を確認し、最終的な建物のイメージをすり合わせていきます。

イメージが固まってきたところで、それを図面におこす作業に移ります。全体の構造・デザインが決まったら、材料や細かい内装を決めていき、色やデザインなどをより細かく、作りこんでいきます。
設計業務の領域は、全体のデザインを設計する「意匠設計」、安全面から構造を設計する「構造設計」、電気や空調のデザイン・機能を設計する「設備設計」にわかれます。これらを1人で行うこともあれば、領域別に分担して行うこともあります。

完成する建築物の詳細まで固まったところで、実際の工事に入ります。工事自体は、別の職人の方たちに任せますが、設計図通りに進んでいるかを監理するのが役割です。デザイン性・安全性を考慮して、建物の完成まで導きます。時には、工事を進めていく中で、設計に修正を加えることも。お客様に引き渡すまで、気が抜けません。

担当する案件の規模は様々ですが、建築物が完成したときの喜びが、働いていくうえでのモチベーションにつながります。大規模な案件は、完成までに数年の期間を要する場合もあるなど、ほとんどの案件が長期間携わるケースになります。

自分のデザインしたものが形となっていくのを見ることは、とてもワクワクします。その結果、お客さまの笑顔・満足に出逢える瞬間は、何物にも代えがたい喜びでしょう。また、作り上げた建物は何十年、長いものでは何百年と、世の中に残り続けることもあり、そう考えると感慨深いものがあります。建物を通して、様々な人々と出会い、多くの人の笑顔を見られることが、この仕事の醍醐味です。

デザイン性を重視するあまり、安全性が欠けてしまっては問題です。従って、お客様が要望するデザインに応え、且つ安全面の問題もクリアした建物を作るために、常に知恵を絞らなければなりません。

また、理想の建物を追求したい反面、必ず予算や工期の制約は存在しますので、その中で、どれだけのこだわりを発揮できるのか、腕が試されます。なかなかお客様に納得頂けない時や、良いアイディアが浮かばない時、期日までには完成させないといけないというプレッシャーを感じるときなどもあるでしょう。だからこそ、やり遂げた時の達成感・充実感はひとしおです。
その為、日頃から最新情報の収集はもちろん、勉強会や意見交換会などに参加し、知見を高めることは欠かせないと言えるでしょう。