【二級建築士の難易度】合格率20%台の試験を乗り越えるには

「二級建築士の資格を取ろうと思っているけれど、どのくらい難しいんだろう・・・?」


資格試験を受けようと思った時、やっぱり難易度や合格率って気になりますよね。二級建築士試験の合格率は大体20%程度と言われています。20%という数字を目にすると、「合格を狙うのが難しい試験」といった印象を持ちませんか?


では二級建築士試験の一体何が難しいのでしょう。この記事では二級建築士の難易度や合格率について、様々な視点から比較してみた結果をお伝えしていきます。実際に二級建築士試験を受験された方から頂いたお話もご紹介しますので、今後、二級建築士の資格をとろうかなと思っている方は是非参考にしてみてください。



目次


1.二級建築士の合格は狭き門!試験の難易度を調査しました


2.二級建築士はどのくらい難しい?いろいろな資格と難易度を比較


3.二級建築士の試験、みんなどのくらい勉強しているの?


 

1.二級建築士の合格は狭き門!試験の難易度を調査しました

建築士の資格には一級建築士・二級建築士・木造建築士の3種類があります。建築士を目指す方でしたら「まずは二級建築士の資格から取っていこう」という考えが一般的なのではないでしょうか。ここからは二級建築士試験の難易度に関してお伝えしていきます


■1-1.二級建築士の「受験資格」

二級建築士の難易度を知るために、まずは下記の表で受験資格を確認しておきましょう。


建築士法第15条建築に関する学歴又は資格等建築実務の経験年数
第一号大学(短期大学を含む)又は高等専門学校おいて、
指定科目を修めて卒業した者
0年
第二号高等学校又は中等教育学校において、
指定科目を修めて卒業した者
卒業後3年以上
第三号その他都道府県知事が特に認める者 建築設備士
(「知事が定める建築士法第15条第三号に該当する者の基準」に適合する者)
0年
所定の年数以上
第四号建築に関する学歴なし7年以上

二級建築士の資格をとるには大学・短大・高等専門学校などで建築に関しての指定科目を修めて卒業するか、現場で数年の実務経験を積むことが必要です。ですから、受験資格を得ること自体が難しい資格であると言えます。二級建築士の資格を取得するルートは建築学科のある2年制短大か専門学校で建築について学び、指定科目を修めて卒業する方法が最短でオススメです。

別記事で建築士になる為の最短ルートについてまとめた記事もありますので、そちらも併せてご覧になってみてください




■1-2.「合格率20%の試験」から分かる難易度

実際に試験を受けようと思った時、気になるのが試験の難易度や合格率ではないでしょうか。

二級建築士の試験は建築士になるための登竜門として、毎年20,000~25,000人が受験している試験です。試験内容は『学科の試験』と『設計製図の試験』があり、それぞれ、毎年1回実施(学科:7月/設計製図:9月)されています。ここからは過去に行われた試験の合格率を参考にしながら、試験の難易度を見ていきましょう。


◆二級建築士 学科の試験 合格率 (H25年~H29年までの過去5年間の推移)


H25年~H29年までの合格率の平均は35.04%です。グラフを見ると、合格率に毎年差が見られるように感じますが、これは試験問題の難しさや、年度ごとの受験者数の差が関係していると考えられるでしょう。二級建築士の学科の試験の合格率は約3割程度と言うことができます。



◆二級建築士 設計製図の試験 合格率 (H25年~H29年までの過去5年間の推移)


H25年~H29年までの合格率の平均は53.72%です。学科の試験よりも高い合格率で推移していることが分かります。設計製図の試験については、学科の試験を合格していないと受験することが出来ません。設計製図の試験は、試験日の約3ヶ月前に事前に試験課題が公表 されています。そのため、問題が公表されている点での対策しやすさで、学科の試験よりも高い合格率になっていると考えられるでしょう。


◆二級建築士 全体の合格率 (H25年~H29年までの過去5年間の推移)


グラフは学科の試験と設計製図の試験を含めた、二級建築士の試験全体での合格率を表しています。H25年~H29年までの合格率の平均は23%です。国家資格の中でも合格率が0~10%台の資格は、取得が非常に難しいと考えられます。二級建築士は20%台。取得困難とまではいきませんが『10人中2人しか合格できない試験』と捉えられるので、試験まで十分に対策しないと合格を目指すのは厳しいと言えるでしょう




■1-3.「試験の合格基準」から分かる難易度

二級建築士の試験概要や合格基準からも、試験の難易度を読み取ることができると思います。先程もお伝えしましたが、二級建築士には『学科の試験』と『設計製図の試験』があり、両方に受かることによって初めて資格を得ることが出来ます。なお、設計製図の試験の試験は、学科の試験を合格しないと受験することが出来ません。二級建築士の試験概要と合格基準は下記でご確認ください。


◆二級建築士の試験概要

試験の区分出題形式出題科目出題数試験時間
学科の試験五肢択一式建築計画
建築法規
25問
25問
計3時間
建築構造
建築施工
25問
25問
計3時間
設計製図の試験あらかじめ公表する課題の
建築物についての設計図書の作成
設計製図1課題計5時間

◆二級建築士の試験の合格基準

【学科の試験】
★合格基準 : 各科目13点以上かつ、総得点60点以上
(各問題1点、各科目25点満点、合計100点満点)
※ 合格基準点はその年によって変動する場合がありますので、随時最新の情報をご確認ください。

建築計画建築法規建築構造建築施工総得点
合格基準点13/2513/2513/2513/2560


【設計製図の試験】
★合格基準 : 採点結果における「ランクⅠ」が合格

ランクⅠ…「知識及び技能」を有するもの
ランクⅡ…「知識及び技能」が不足しているもの
ランクⅢ…「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクⅣ…設計条件・要求図書に対する重大な不適合に該当するもの
※ 「知識及び技能」とは、二級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ統括的な知識及び技能」のこと


試験概要の試験時間を見てみると、学科の試験だけで6時間、設計製図の試験は5時間となっています。試験当日は丸1日かけて闘うことになるので、精神的・体力的に疲労がたまるのが予想できるでしょう。長時間集中しなければいけない辛さも、建築士試験の大変な点と言えそうです。


学科の試験の出題形式は五肢択一式となっています。選択肢が5つもあるという事は正答に似たような解答や、ひっかけ解答など数も多くなると考えられるでしょう。正しい解答を導き出すためには、試験前からしっかり対策しておくことが必要ですね。設計製図の試験に関しては、試験日の約3ヶ月前に事前に試験課題が公表されるので、対策は比較的しやすいと思います。また、建築技術教育普及センターが、過去の試験課題や採点のポイントなども公開しているので、対策時にそちらを参考にするのもオススメです。

 



2.二級建築士はどのくらい難しい?いろいろな資格と難易度を比較

「二級建築士の資格と◯◯の資格、どっち難しい?」ネット上でよくこんな質問をお見かけします。施工管理求人.comでは、 二級建築士といろいろな資格の難易度・合格率を比較し、それぞれの資格がどのくらい難しいのかを調査してみました。

 

■2-1.『一級建築士』、『木造建築士』と比較

まずは建築士資格の仲間である、一級建築士と木造建築士の合格率を、二級建築士の合格率を比較してみましょう。


◆ 建築士 合格率 (H25年~H29年までの過去5年間の推移)

  

H25年~H29年の合格率の平均は一級建築士:12.1% 二級建築士:23% 木造建築士:34.32%です。グラフを見ると一級建築士試験が一番難しいということが分かります。合格率を見たときの難易度の順番は一級建築士>二級建築士>木造建築士となるでしょう。


合格率は木造建築士が一番高いので、「二級建築士よりも木造建築士から受験した方が良いのでは?」と考える方もいると思いますが、断然二級建築士から受験するのがオススメです。なぜならば、二級建築士の資格を持っていると、木造建築士の業務範囲も対応することが出来るからです。図1の表を見ると、木造建築士は『延べ面積100~300㎡・木造2階建て』までの建物しか設計・監理できないことが分かると思います。二級建築士の方が木造建築士より対応できる業務範囲が圧倒的に広いので、二級建築士の資格を持っていれば転職時などにも有利になるでしょう


■2-2.『宅地建物取引主任者』と比較

続いては宅地建物取引主任者の合格率と、二級建築士の合格率を比較してみましょう。


  
  

ネット上などでよく「宅地建物取引主任者と二級建築士だったらどっちが難しい?」という質問をよく見かけるので、今回は、それぞれ受験者数と合格率を比較してみました。そもそも、宅地建物取引主任者と二級建築士は資格の分野が異なるので、比較するのは少し見当違いかもしれません。『宅地建物取引主任者=不動産関係の資格』で、『二級建築士=建築関係の資格』と、別物の資格として考えるのが良いでしょう。


受験資格にも大きく差があります。宅地建物取引主任者は受験資格がなく誰でも受験可能ですが、二級建築士は受験資格があり、学歴や実務経験がないと受験することが出来ません。簡単に受験できる資格と出来ない資格では、難易度も変わってくると考えられます。もし「どっちが難しい?」という質問にお答えするなら、【宅地建物取引主任者は受験資格がなく誰でも受験可能だが、二級建築士は学歴や実務経験が無いと受験することが出来ない】という理由から、二級建築士の方が難易度の高い資格と答えるでしょう


■2-3.『建築施工管理技士、福祉住環境コーディネーター』と比較

最後は、『建築士の資格と関連度が高く、一緒に持っていると転職などに便利』と言われている、建築施工管理技士・福祉住環境コーディネーターの資格と難易度を比較してみましょう。


【建築施工管理技士の平均合格率 (H24年度~H28年度までの過去5年間)】
一級 : (学科試験) 46.52%  (実地試験) 41.25%
二級 : (学科試験) 48.92%  (実地試験) 33.86%


建築施工管理技士の資格は、建築工事で主任技術者や監理技術者として施工計画を作成したり、現場管理等を行うための国家資格です。現場管理ができるという点は、建築士と似ています。受験者数は二級建築士よりも若干多く、25,000人~30,000人程度といったところです。合格率は大体4割程度で二級建築士よりも合格を狙いやすい資格だと言えるでしょう。建築士は『設計管理のプロ』、建築施工管理技士は『建築現場の現場管理のプロ』としての認識が強く、建築士の資格と併せて持っている方も少なくないようです。




【福祉住環境コーディネーターの平均合格率 (H23年度~H27年度までの過去5年間)】
2級 : 52.54%


住環境福祉コーディネーターの資格は、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境をご提案するためアドバイザーとして必要な資格です。医療・福祉・建築などのあらゆる専門知識を必要とされる資格で、建築士の仕事と深い関わりがあります。2級までは受験資格が無く、どなたでも受験が可能です。(1級は2級の合格者のみ受験可能)


住環境福祉コーディネーター2級の合格率は5割程度で、二級建築士よりも難易度は低いと言えます。東京商工会議所が、住環境福祉コーディネーター受験者の保有資格をアンケートした結果によると、建築士の資格を保有している受験者も数パーセントいるようでした。住環境福祉コーディネーターの資格は、建築士の仕事と関連性の高い資格として受験している方が多いようです。



難易度を比較した建築施工管理技士・住環境コーディネーター2級は、二級建築士に比べて合格率が高く、建築の仕事と関連性が強いという事が分かりました。建築士として、より専門的な知識を付けたい、仕事の幅を広げたいと考える方は、併せて取得しておくと良いかもしれないですね!

 

3.二級建築士の試験、みんなどのくらい勉強しているの?

二級建築士の試験は、学科の試験・設計製図の試験ともに、年に1回しか受験するチャンスがありません。そのため、チャンスを無駄にしないように「一発で合格したい」と意気込んでいる方も多いのではないでしょうか?

資格試験を受験する際に、必ず乗りこえなければいけない壁が『受験勉強の壁』です。今回は、二級建築士の資格試験を受けようと思っている方の為に、【一発で合格できた人の勉強方法】と【不合格だった人の勉強方法】をご紹介したいと思います。是非参考にしてみてください


■3-1.【一発で合格できた人】の勉強方法

◆ハウスメーカー勤務:30代女性
わたしが二級建築士の資格を取るために用意した勉強期間は、約6ヶ月です。学科:2ヶ月、実地:4ヶ月という勉強スケジュールを立てて試験勉強に挑みました。わたしには小さい子供がいたので、1日何時間も勉強時間を作ることは厳しく、子供を寝かしつけてからの2時間だけ毎日欠かさず勉強していました。学科の勉強方法は、問題集を何回も繰り返し解いて暗記するといった方法です。自分で問題集を買ったり、ネットで問題をダウンロードして問いたり、ケータイアプリを活用したり・・・あらゆる手段を使って出来るだけたくさんの問題を解きました


製図の試験勉強で工夫したことは、知り合いの一級建築士の方に問題の添削をして頂いたり、設計図を描く時のポイントを教えてもらったりしたことです。プロの方に指導してもらうと、自分の設計で何が欠けているのかに気づくことが出来るので、正確な回答に近づけることが出来ます。建築士の試験勉強では、『勉強スケジュールをしっかり立てて進める事』と『書籍、ネット、建築に詳しい人…色々な方面から手を借りる』という事が大切だとわたしは思います。



◆建設会社勤務:40代男性
わたしは会社の仕事上、建築士の資格が必要になったので二級建築士を受験することになりました。建築についてしっかり勉強するのは初めてだったので、「どうしたらいいものか…」と悩んでいたところ、上司に勧められ通信講座を受けることに。講座費用が結構な金額で驚きましたが、会社が費用を半分負担してくれるとのことだったので渋々受験する事になりました。


講座の期間は約10ヶ月程度で、試験に間に合うようにスケジュール管理されていたのでとてもスムーズに勉強することが出来ました。講座の内容も充実していて、科目ごとに試験のポイントや勉強する上での注意点などを細かく指導して頂きました。分からないことがあった時は講師の先生にすぐ質問が出来る環境だったので、不安なく試験勉強を進めることが出来たと思います。そのお陰で試験も無事に合格できました。今まで勉強は独学でするものだと思っていましたが、ちょっとお金がかかっても講座に通った方が、より確実な合格を目指せるのではないかと感じました。


 

■3-2.【不合格だった人】の勉強方法

◆建設会社勤務:20代男性
仕事が忙しく、なかなか勉強する時間を確保できなかった事が試験に落ちた原因だと思います。自分の仕事は朝が早く夜も遅い仕事だったので、帰宅したころにはヘトヘトで勉強をする気が全然起きませんでした。結局、受験勉強を始めたのは試験の1ヶ月前で、十分に対策することが出来ないまま本番を迎える事に…。来年の試験までは勉強期間をたっぷり用意して、毎日コツコツ勉強していこうかなと計画しています。



◆建工務店勤務:40代男性
わたしが落ちたのは製図の試験です。製図を勉強しているときは「なかなか手強いな…」と苦戦していたのですが、お金がかかるのが嫌で講座に通うのは避けていたんです。【独学で学科を通過できたから、製図も独学でいけるだろう】という自信がどこかにあったのかもしれませんね(笑)


でも結果は不合格。結果を知って初めて、「講座に通うのもアリだったかな…」と少し後悔しました。次に二級建築士を受験するときは、お金をケチらず対策講座に通って万全の態勢で試験に挑もうと思います。


いかかがでしたか?二級建築士は合格率が20%台と低く、なかなか受かりにくい試験かもしれません。しかしそんな中で、見事試験に合格して二級建築士の資格をGETしている方もいるというのが事実です。一発で合格を狙うのであれば、『勉強期間をたっぷり設けること』『テキスト・ネット・知人などあらゆる方面から手を借りる』『講座に積極的に通う』、これらの方法をうまく活用して、自分なりの勉強方法を見つけることが大切だと言えるでしょう。



そして、万が一試験に落ちてしまっても、諦めずに挑戦し続けることが大切です。今回、お話を伺った方の中には「学科試験だけで3~4回リベンジ受験している」という方もいました。そしてその方はこうおしゃっていました。

あとちょっとの所で点数が届かなくて、実は今年で4回目の受験になります。試験に落ちればやっぱり落ち込むし悔しいですが、二級建築士の試験はわたしの夢の通過点に過ぎません。目指すところは一級建築士なので、モチベーションを高く持って受かるまで何回でもチャレンジし続けます。


この方のように、二級建築士の試験を何回もリベンジ受験しているという方は実は少なくありません。建築士の試験は年に1回しか無いので、試験まで根気強く勉強したり、モチベーションを維持することは難しいことだと思います。しかし、建築士になるためには二級建築士の資格を取得することが一番の近道だと思うので、是非、合格できるまで諦めずに頑張ってください!



まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回は二級建築士の難易度や合格率についてお伝えしてきました。二級建築士の試験は合格率が20%台と低く、なかなか合格を狙いにくい資格かもしれません。しかし、取得すれば『建築士としての第一歩を踏み出すための強い武器』になることでしょう!是非この記事で得た情報が、二級建築士の資格取得を目指す方の役に立てば嬉しいです。



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