【一級建築士の難易度・合格率】受験者の9割が落ちる試験の裏側

「一級建築士の試験ってどのくらい難しいんだろう?」「どんな勉強をすれば受かるのかな?」


一級建築士になりたいと考えている方は、試験の難易度や合格率って気になりますよね。初めに言うと、 一級建築士は試験の合格率が10%程度と低く、とても難易度が高い試験です。では一体、試験のどういった点が難しいのでしょうか。


この記事では、一級建築士試験の『何が難しいのか』『どのように対策していけばいいのか』を具体的にお伝えしていきます。実際に、一級建築士試験を受験された方から頂いたコメントもご紹介しますので、是非ご覧になってみてください。これからお伝えする内容が、一級建築士を目指している方のお役に立てば嬉しいです。



目次


1.一級建築士を初めて受験する方へ


2.一級建築士試験の難易度を徹底解析!


3.一級建築士試験、合格者の勉強方法・勉強時間


4.一級建築士の資格を取って良かったこと


 

1.一級建築士を初めて受験する方へ

一級建築士を受験しようと思っている方の中には、初めて試験を受ける方や試験を再受験される方など、様々な方がいらっしゃることでしょう。この記事では【一級建築士試験を初めて受ける方】を対象に、試験の難易度や合格率をお伝えしていこうと思います


■1-1.難易度は高いです。 『受験者の約9割が落ちる試験』

まずは記事の冒頭でもお伝えした、一級建築士の合格率についてもう少し詳しく見ていきましょう。
合格率については、【公益財団法人 建築技術普及センター 一級建築士 試験結果】を参考にしています。

◆一級建築士 学科の試験 合格率(H25年~H29年までの過去5年間の推移)



※画像が小さいので、拡大してご覧になってください。


一級建築士の学科の試験は、毎年25,000人~26,000人が受験しています。合格者はそのうちの1割強~2割程度で、合格率が非常に低くなっている事が分かります。H25年~H29年までの平均合格率は18.08%です。一級建築士の資格を取る為にはまずこの学科の試験をパスすることが必須条件です。この合格率を知った上で、試験までにどう対策していくかを考えておかなければいけませんね。



◆一級建築士 設計製図の試験 合格率(H25年~H29年までの過去5年間の推移)



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設計製図の試験の平均合格率は40.36%です。学科と比較すると設計製図の方が合格率が高いことが分かります。設計製図の試験は試験日の約3ヶ月前に試験課題が公表されるので、対策のしやすさなどから合格率が高くなっていると考えられます。 しかし、難関である学科試験を突破してきた方でもそのうちの半数以上は落ちているので、簡単には合格できない試験だと言えそうです。



◆一級建築士 全体の合格率(H25年~H29年までの過去5年間の推移)



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最後に、一級建築士試験の全体の合格率を見ていきましょう。H25年~H29年度までの平均合格率は12.1%となっています。これから受験される方は、「こんなに合格率って低いんだ…」と不安に思ってしまうかもしれませんが、合格率というのは、ただの過去の数字です。結局は、自分が頑張れるか・頑張れないかで試験の合否は決まります。一級建築士は難しいと理解した上で、『今後の試験でどんな対策をしていけばいいのか』『自分にどのくらいの勉強時間が必要なのか』を明確にしていけば、合格の道はグッと近づくと思いますよ


■1-2.一級建築士は数年かけて取る資格。1回で諦めない事が大事

先程のグラフを見ると『一級建築士は難易度が高い試験』だと、十分に理解できたと思います。一級建築士の試験は、学科・設計製図ともに年に1回しかありません。ですから難しい試験だと分かっていても、一発で合格したいと意気込む方がたくさんいらっしゃるかと思います。


しかしそう簡単に合格させてくれないのが一級建築士の試験です。学科の合格率は10%台、ここをパスするだけでも至難の業と言っていいかもしれません。一級建築士の試験を初めて受験するという方は、まずは学科の試験を突破する事だけに注力しましょう。


学科試験さえ合格すれば、もし万が一計製図の試験で落ちたとしても、向こう2年間は学科の試験が免除されます。そうすれば次の年は設計製図の試験に集中できるので、より合格に近づくような中身の濃い勉強ができるでしょう。一級建築士の資格取得で大事なのは、【結果が不合格だったとしても、1回で諦めない事】です!

 

2.一級建築士試験の難易度を徹底解析!

続いては一級建築士の試験の難易度について、もう一歩詳しく踏み込んできましょう


■2-1.試験本番までのモチベーション維持が大変

一級建築士の試験は、試験の問題自体が難しいとされているのはもちろんですが、試験本番までのモチベーション管理も難しいことの1つだと考えています。

例えば、一級建築士の資格取得を目指している方でしたら、資格学校に通う方もたくさんいることでしょう。資格学校のコースにもよりますが、長いものだと10ヶ月~12ヶ月間通うというコースもあります。その期間中は毎週欠かさず講座を受けなければならないので、学校に行くことが途中で面倒くさくなったり、課題をやってこなかったりと挫折する人も結構いるようです。


ただこれは資格学校に通う時だけの話ではなく、自宅で試験勉強をする際も同じような事が言えます。試験を受けたことがある方の中には、「試験に向けて半年前から勉強を始めようと思っていたのに、仕事で疲れて勉強が身に入らなかった」なんて方もたくさんいらっしゃることでしょう。


◎毎週、学校に通わないといけない面倒くささ
◎疲れているのに勉強しなければいけないストレスやイライラ
◎疲れや眠気との闘い


こういった辛さにどう立ち向かうかも、一級建築士の資格取得を目指す上での大きなポイントになってくると考えています。資格を取ると決めたら、まずは試験日までの勉強スケジュールを必ず立てましょう。一級建築士は試験範囲が広いので、なるべく多くの勉強時間を確保できるのが望ましいと思います。


仕事がある日は何時間勉強するか』『休日は何時から何時まで勉強するか』などを前もって具体的に決めておいた方が、スムーズに効率よく勉強を進めることが出来て、試験勉強に対するモチベーションも維持しやすいと思いますよ


■2-2.昔と今の難易度の違い、今後の難易度はどうなっていく?

ネット上でよく「一級建築士の試験って、昔の方が簡単だったって本当ですか?」という質問を目にします。一級建築士の資格をもった50代後半~60代の方にお話を伺ってみると、下記のような今と昔の試験の違いを教えてくださいました。


『自分たちの頃より出題範囲が広がった』
『解答の選択肢が5択から4択に減って難しくなった』
『合格基準点が昔より30点くらい上がった』


現在の一級建築士試験の難易度が昔に比べて上がった背景には、建築基準法などの大幅な法改正が影響しています。

例えば、2005年に起きた姉歯事件。構造計算書偽装問題で当時大きくメディアに取り上げられました。その事件以降に法改正が行われ、一級建築士試験の難易度も上がったのではないかと考えられます。近年でもマンションのデータ改ざん問題が注目されたり、地震の増加などから今後も法改正が行われ、その影響で一級建築士試験の難易度が高くなっていく可能性があるかもしれません。

 

3.一級建築士試験、合格者の勉強方法・勉強時間

続いては、試験勉強の方法や勉強時間についてお伝えしていきます。繰り返しになりますが、一級建築士は『学科の試験』と『設計製図の試験』があり、その両方に合格してはじめて資格を得ることが出来ます。一級建築士の試験概要は下記でご確認ください。


試験の区分出題形式出題科目出題数試験時間
学科の試験四肢択一式学科Ⅰ(計画)20問計2時間
学科Ⅱ(環境・設備)20問
学科Ⅲ(法規)30問1時間45分
学科Ⅳ(構造)30問計2時間45分
学科Ⅴ(施工)25問
設計製図の試験あらかじめ公表する課題の
建築物についての設計図書の作成
設計製図1課題6時間30分

※ 一級建築士の試験概要や試験内容については、建築技術教育普及センターのHPで随時最新情報をご確認ください。

  


■3-1.まずは学科の試験から。製図の事は忘れてOK。

一級建築士の試験は、学科の試験が7月設計製図の試験が10月に行われています。学科を合格しないと設計製図の試験は受験できないので、まずは学科の試験を突破することだけに集中して勉強を進めましょう。


「どのくらい前から勉強すればいいんだろう?」と悩む方もいると思いますが、勉強期間はなるべく多く準備しておいた方が安心です。過去に一級建築士を受験した方の中では、勉強を始めたのは、約6ヶ月前からという方が結構いらっしゃいました。ただしこの6ヶ月間という期間は自宅で勉強する際の期間であり、自宅での勉強とは別に資格学校にも通っている方が多いようです。


一級建築士の試験概要を見ると、出題範囲が広く問題数も多いので、十分に勉強期間を設けて対策することが必要だと言えます。問題の形式としては、『正しいのはどれか。』『最も不適切なものはどれか。』といった四肢択一式です。こういった問題の場合は、過去問や問題集を繰り返し解いて、解答のパターンを覚える勉強方法がオススメです!

試験を受験すると決めたら、

どのくらい前から勉強を始めるか
1日に何時間勉強するか


など、まずは具体的に学科の勉強スケジュールを立てる事から始めましょう


■3-2.一級建築士の試験勉強を始める上での心構え

ここでは、一級建築士の試験勉強を始める上での3つの心構えをお伝えしていきます。


【その1】 睡眠時間はしっかりとりましょう!
一級建築士の試験を受験しようと思っている方は、働きながら試験勉強を行う方がほとんどなのではないでしょうか?仕事を終え、自宅に帰って来てから勉強を始めることが多いと思いますが、ムリせず睡眠はしっかり取りましょう。でないと、せっかく勉強したのに頭にインプットされないので、頑張った意味が無くなってしまいます。自分の体力と相談し合いながら勉強を進めていきましょう。



【その2】資格学校選びは慎重に行いましょう!
一級建築士の試験対策講座を行っている資格学校はいくつかあります。受講期間・受講料金・受講方法など、プランによって受講内容が異なるので、自分に合った講座選びを慎重に行いましょう。ちなみにプランの内容は、数十万円するものから100万円を超えるものまでピンキリです。お金と相談しつつ、受講者の口コミなどを参考にして選ぶのが良いかもしれません。


ご参考程度に一級建築士の試験対策講座を行っている資格学校をいくつかPickupしてみましたのでご参考ください。

資格学校のTAC
日建学院
総合資格学院
コスモ建築塾
一級建築士 合格物語



【その3】すきま時間はケータイアプリを使って勉強!
仕事の休憩中で勉強するときにオススメなのがケータイアプリです。無料のものから有料のものまで色々あります。ケータイアプリは仕事の休憩中だけでなく、通勤時間や寝る前のちょっとしたすきま時間で勉強するときにとても有効的です。片手で問題がサクサク解けるので、いちいち重たいテキストを持ち歩く必要もありません。ケータイを開いて過去問を5問、10問解くことを毎日の習慣にしていけば、暗記力が高まっていくと思いますよ!


 

4.一級建築士の資格を取って良かったこと

最後に、一級建築士の資格を持っている方にお伺いした、『一級建築士の資格を取って良かったと思うこと』をご紹介したいと思います。これから一級建築士の資格取得を考えている方にとっては、プラスになる部分もあると思うので是非ご覧になってみて下さい。


【30代・男性】
正直に嬉しかったことを言うと、一級建築士の資格を取ってから周りに褒められることが多くなったことですね。一級建築士は建築業界で働くなら持っていて当たり前と言われていますが、お客さんに「一級建築士さんってやっぱりすごいですね!」と褒められると単純に嬉しいです。

転職する会社によりけりですが、自分の場合は、一級建築士の資格を取って転職してから年収も結構上がったので、良いことばっかりです。資格を取るまで4,5年かかりましたが、頑張って良かったなと思っています。



【50代・男性】
資格はあくまで肩書きであって、持っているだけじゃ意味がない。建築の経験、現場管理の経験が無いと実際の仕事はやっていけないですよ。とはいえ、自分はこの仕事で食っているので、資格は取って良かったと思います。



【30代・男性】
やっとの思いで取れました。会社に今まで「資格をとれ」と散々言われてきて、何回もチャレンジしてきてやっと。これで上司にうるさく言われることは無いと思うと、「よくここまで頑張ったな、俺」って自分で自分を褒めたいです。これからは大好きな現場で思う存分、経験を積みます!



【40代・女性】
苦労して6回目の試験で合格しました。これでやっと、自分の夢へ1歩近づけたのかなと思います。今の会社でもう少し経験を積んだら独立しようと考えているので、一級建築士の資格を活かせることが本当に嬉しいです。



まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回は一級建築士の試験の難易度や合格率についてお伝えしてきました。一級建築士の資格は『建築業界では持っていて当たり前』と言われる資格ですが、合格率が低く、難易度の高い資格です。しかし、それでも諦めずに努力して取得すれば、必ずあなたの力になることは間違いないでしょう!この記事で読んだ情報が、一級建築士の資格取得を目指している方のお役に立てば幸いです。

施工管理求人.comでは、一級建築士の難易度に関連して、二級建築士の難易度・合格率や、一級建築士の年収・給料についてまとめた記事もございますので、こちらも是非ご覧になってください。



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