二級建築士 製図試験、独学じゃムリ?落ちない為にできること

二級建築士の試験を受験する皆さん!学科試験の次は、いよいよ製図試験ですね!


「製図ってどんな試験なんだろう?」
「どのくらい難しいのかな」
「どうやって対策したらいい?」


こういった悩みや疑問は、試験前にスッキリ解決しておけるのがベストですよね。この記事では二級建築士『設計製図の試験』の、試験概要や難易度、勉強方法などについてお伝えしていきます。また、実際に試験を受けた受験者の体験エピソードや、これから受験を控える方へのアドバイスもお聞きしたので、是非参考にしてみてください。



目次


1.二級建築士『設計製図の試験』の試験概要まとめ


2.合格率は50%。数字に騙されてはいけない、本当の難しさ


3.製図の勉強、『独学派』と『資格学校派』に分かれる理由


4.独学で合格を狙うには、どのくらい勉強すればいい?


5.「製図の勉強は地獄でした」受験者が語る苦労話と、受験を控えるあなたへのアドバイス

 

1.二級建築士『設計製図の試験』の試験概要まとめ

この記事を読んでくださっている方の中には、二級建築士 設計製図の試験を初めて受験するという方も沢山いらっしゃるでしょう。 そこでまず初めに、試験の概要(試験のスケジュールや製図試験の試験時間等)について簡単にお伝えしていきたいと思います。


【試験スケジュール】

二級建築士の試験は年に1回各都道府県で行われており、「学科の試験」は7月、「設計製図の試験」は9月に行われています。


H30年度の場合は下記のようなスケジュールとなっています。

受験申し込み : 4月ごろ
学科の試験 : 7月1日(日)/合格発表8月21日(火)
設計製図の試験 : 9月9日(日)/合格発表12月6日(木)予定

設計製図の試験は建築技術教育普及センターによって、試験日の約3ヶ月前に事前に試験課題が公表されます。H30年度の場合は、6月6日に公開されました。製図の試験対策をする上で、「試験課題がいつ公開されるのか」はとても重要です。ですから、5月下旬~6月上旬になったら、建築技術教育普及センターのHPで試験課題が公表されているか随時チェックしておきましょう。


【試験時間】

二級建築士 設計製図の試験の試験時間は5時間です。H30年度の試験の時間割は下記のようになっています。

試験日 : 9月9日(日)
時間割 : 11:00~16:00(5時間)

試験中は休憩時間がありません。長丁場の試験ですので、試験が始まる前に飲食やトイレなどは済ませておきましょう


【採点方法】

二級建築士 設計製図の試験の採点基準は下記ようになっています。

ランクⅠ:「知識及び技能」を有するもの
ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの
ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクⅣ:設計条件・要求図書に対する重要な不適合に該当するもの

このうちのランクⅠに該当するもののみが合格となります。建築技術教育普及センターでは、過去の試験課題の採点ポイントなども公開しているようですので、気になる方は『二級建築士 製図 採点ポイント』などのワードで検索してチェックしてみてください。


【合格発表の確認方法】

受験者の方には都道府県知事が行なった合否の判断結果を通知し、不合格者には試験の成績も一緒に通知します。また、合格者の一覧表を建築技術教育普及センター支部・都道府県建築士会の事務所に掲示します。併せて、合格者の受験番号は建築技術教育普及センターHPでも掲載されるので、合格発表日になったら各自確認しましょう。


二級建築士の受験資格についてまとめた記事もありますので、こちらも併せて参考にしてください。

 

2.合格率は50%。数字に騙されてはいけない、本当の難しさ

二級建築士の学科を突破された方が、次にぶち当たるのが製図の壁。初めて受験する方の中には「どのくらい難しい?」「合格率って何%くらい?」と気になる方もいるのではないでしょうか?ここでは『設計製図の試験』の難易度や合格率についてお伝えします。


まずは下記のグラフをご覧ください。


このグラフはH25年~H29年までの設計製図の試験の合格率を表したものです。過去5年間の平均の合格率は53.72%です。


製図の合格率50%台に対して、学科の合格率は30%~40%台。比較すると製図の方が合格率は高いので、「製図って案外余裕なんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。でもそれが製図試験の落とし穴。合格率が高いからと言って絶対に油断してはいけません!実際に製図を受験した方は、「製図ナメてた」「もっと勉強しておけばよかった」と嘆きの声を上げる方も少なくはありません。


受験者の方が感じている『製図の難しい・大変なポイント』としては、下記のようなものがあります。

★学科の試験が終わってから設計製図の試験日まで、勉強できる期間は約2ヶ月間しか無いので猛勉強しないと間に合わない。
★試験対策の為にトレース(原図の上に薄紙を載せ、敷き写しすること)を何枚もやるので、体力的にキツい。手が痛くなる。
★図面を描いた経験が少ない人・経験がない人にとっては、図面を読み取ったり、理解するだけでも一苦労
★仕事をしながら勉強をしているので、なかなかまとまった勉強時間が作れない。だから勉強不足で不合格になる。
★試験時間が長いので集中力が途切れてしまう。   など


試験自体はもちろん難しいと思いますが、それ以前に、試験までの勉強の壁を乗り越える方が大変だと感じている方が多いようですね。 読んでみてお分かりになると思いますが、製図の試験には、体力・忍耐力・思考力がとても重要になると考えられます。


こういった難しさ・大変さを乗り越えるためには、できるだけ早くから製図の勉強に取り掛かることをオススメします。製図に関しては、指定された設計条件に対してどういった図面を描かなければいけないのかを、頭で考えて手をひたすら動かさなければいけません。試験を攻略するには、この作業を何回も繰り返すことが必要です。1つの図面を完成させるためには数時間を要するのが普通ですので、試験勉強にはたっぷりと時間を設けることが大切です。ですから、二級建築士の試験を受験すると決めたらなるべく早く製図の試験勉強に取り掛かり、本番までに製図の問題に慣れておくのが良いでしょう。

二級建築士の試験の難易度について詳しくまとめた記事もありますので、そちらも参考にして見て下さい。


 

3.製図の勉強、『独学派』と『資格学校派』に分かれる理由

製図の勉強をするとき、あなたはどんな方法で勉強するか決めていますか?製図の勉強方法は『独学で勉強する方法』と『資格学校に通って勉強する方法』の2つのパターンがあります。受験者の方の意見やネットなどの情報をもとにすると、多くの方が資格学校に通って勉強しているようでした。その一方で、独学で勉強しているという方もおり、「結局どちらの勉強方法が良いのだろう?」という疑問が湧いたので、今回は『独学派』と『資格学校派』に分かれる理由を調べてみました。


【独学派の意見】


◎資格学校のある場所に行くまで時間がかかるので勿体ない。学校に通う時間があるなら独学でどうにかしたい。
◎資格学校に通うお金がない。喉から手が出るほど欲しい資格でもないので、あんまりお金をかけたくない。
◎日頃から仕事で図面を描いて見慣れているので、独学でもなんとかなると思う。
◎1年目の試験は落ちたけれどそれなりに手ごたえは感じられたので、2年目は合格できると思っている。
◎経験年数が長いので今更学校に頼るのが恥ずかしい。学校に通っている人には負けたくない。    など・・・



【資格学校派の意見】


◎学科試験が終わってから製図の試験まで約2ヶ月しか無いので、資格学校に通った方が効率よく勉強できる。
◎自分でスケジュールを立てて勉強するのが苦手なので、学校に通った方が良い。
◎学費は高いが、プロの講師が課題を添削してくれるので、試験本番までに分からない所を解消できる。
◎資格学校には、一緒に試験の合格を目指して頑張っている仲間がたくさんいる。大変なのは自分だけじゃない!とやる気が湧く。
◎1年目に独学で勉強して不合格だったので、お金はかかるけど2年目は資格学校に通って確実に合格を狙いたい。   など・・・



独学派・資格学校派、それぞれの意見に共通しているのが『金銭面』についてです。資格学校に通うにはどうしても学費がかかってしまうので、学校に通うか・通わないかの判断をする理由に大きく関わっていると考えられます。今回は、資格学校の製図の授業に係る費用(学費)を調べてみましたので、資格学校に通うか・通わないかを判断するときなどに是非参考にしてみてください。


資格の学校 TAC
(設計製図の対策コース)
特徴 : 学科試験後から週1回ペースで約8時間の講義を試験本番まで毎週受講
料金 : 140,000円~180,000円+税(通学コース・WEBコース・DVDコースによって金額が異なります。)


総合資格学院
(設計製図の対策コース)
特徴 : 学科試験後から週に1回、試験本番まで通うコースで、基礎から応用まで養成
金額 : 450,000円+税


日建学院
(設計製図の対策コース)
特徴 : 学科試験後から製図試験までの約2ヶ月間、講師による生指導+映像講義で合格力を養成
金額 : 420,000円+税(通学コース)


今回ご紹介した資格学校はほんの一部です。料金を見てみると結構な金額がかかるようですね。1つの資格を取る為に高額なお金を払うか・払わないかは、最終的に自分で決断しなくてはならないと思います。ですが、確実に合格を狙いたいというのであれば、やはり資格学校に通って勉強する道を選ぶことをオススメします。その理由として、下記のようなメリットがあるからです。

・試験本番までの勉強スケジュールが綿密に組まれている
・製図の基本や時間調節テクニックなどを教えてくれる
・毎週課題を提出しないといけないので上達が早い
・予想問題を解くのでどんな問題が来ても対処出来やすい
・致命的なミスを先生が指摘してくれる  など

繰り返しになりますが、学科試験が終わってから製図試験本番までは約2ヶ月間しかありません。この2ヶ月間で製図を攻略しなければいけないので、短期間で効率よく勉強できる資格学校に通うほうが良いと言えるでしょう。


 

4.独学で合格を狙うには、どのくらい勉強すればいい?

世間一般的に、『二級建築士の製図を独学で合格するのは難しい』と言われていますが、もちろん独学で合格している方も沢山いるのが事実です。では、試験に合格された方はいったいどんな方法で合格を掴み取ったのでしょうか。ここでは、独学で設計製図の試験に合格された方の勉強方法や勉強時間・心構えなどをご紹介していきたいと思います。


【30代・女性】
製図の試験に、頭の良い・悪いは関係ないと思います。勉強の為にどれだけ時間を割けるか、どのくらい根気を持って勉強に取り組めるかが大事です。わたしの場合、図面の書き方が頭に入るまでトレースを10枚以上はやりました。

いかに早く丁寧に描けるかが重要なので、仕事から帰ってきて疲れていても眠くても、目をこすりながら頑張りましたね。エスキス(設計条件を読みスケッチなどで計画をまとめる事)は問題集やネットで公開されている問題を見ながら5~6枚は描きました。描けば描くほど作図にかかる時間は短縮できると思うので、あとは数をこなすだけです。


【40代・男性】
学校に通うか通わないかは自分の気持ち次第。学校に通っているのに落ちる人ももちろんいるし、独学で1発合格する人だって沢山います。 やる気次第でどうにでもなるという訳です。自分は設計関係の仕事をしていたので、図面には慣れていました。それでも、絶対に合格したいという気持ちがあったので、試験の約半年前から過去問などを参考にしながら対策していました。

試験課題が発表される前までは一週間に1枚は作図を完成させ、本腰を入れて勉強したのは試験の約1ヶ月前からです。仕事をしながらの勉強だったのであまり無理はせず、3日に1枚を完成させるくらいのペースに替えて、本番を迎えました。


【30代・男性】
わたしはトレースを重点的に勉強しました。模範解答を何度も何度も繰り返しトレースする事によってスピードをどんどんアップさせ、試験本番で焦らないよう早い段階で慣れておこうと考えていました。トレースで描いたのは13枚くらいです。

試験が近くなってきたら、どんなに寝るのが遅くなっても必ず1枚は仕上げてから寝るようにしていました。眠いのに寝ることが出来ないイライラから、トレース用紙をぐちゃぐちゃに破ったこともあります(笑)そのくらい本当にハードでした。結果的に合格しましたが、本当は本番までに20枚くらいはやっておいた方がもっと安心できたなとちょっと心残りです。


いかがでしたでしょう。こうやって体験談をお聞きすると、独学で勉強するのはかなりハードになることが予想されます。製図を攻略するには、トレースするスピードとエスキスが重要だと言えそうです。製図の試験時間は5時間しか無いので、その間にエスキスをスムーズに終わらせ、作図に取り掛からなければいけません。全ての作業を5時間の中で終わらせるには、事前の勉強期間中にたくさん手を動かし、問題に慣れておくことが大切だと言えるでしょう。合格者の方の勉強方法に基づくと、本番までに最低でも10枚以上は図面を描くイメージで対策した方が良さそうですね。

 

5.「製図の勉強は地獄でした」受験者が語る苦労話と、受験を控えるあなたへのアドバイス

最後に、製図の試験を受ける方に向けてちょっとでも手助けになれば良いなと思い、受験者の方が経験した苦労話を集めてみました。また、これから受験を控える方へ、先輩合格者からのアドバイスも頂いたので、こちらも参考にしていただければ嬉しいです。



【30代・男性】
自分は二級建築士の製図を4回も受けています。周りの同僚はみんな試験に合格して資格を持っていたのに、自分だけ合格できず、これまでの4年間ずっと惨めな思いをしてきました。3回目の試験が不合格だったときは本当に絶望感を味わい、正直、すべてが嫌になったのを今でも思い出します。でも、ずっと憧れだった建築士になる為には、まず二級建築士をとらなくてはと思い、仕事から帰った後も必死になって勉強しました。同僚から「なんで受からないんだよ」と馬鹿にされながらも、周りの助けを借りながらやっと4回目の試験で合格することが出来ました。


やっぱり製図の試験に大切なのは、根気と努力だと思います。なぜその資格を取らなければならないのか、資格を取るために自分がやるべきことは何なのかを、この4年間で何度も考え、4年目にしてやっとその答えが分かったと思います。本当に、諦めなくてよかったです。


【40代・女性】
昔からずっと夢だった建築士になるために2年ほど学校に通い、やっとの思いで受験資格を得ましたが、本当に大変なのはここからでした。「試験に受かれば建築士に近づける!」そう意気込んで臨んだ1回目の試験ですが、製図はおろか、学科さえ通らず・・・。その次の年も学科で落とされ、もう無理かもしれないと諦めようかと思っていました。


しかし、やはり昔からの夢を捨てられず、あと1年だけと思い3回目の試験に挑戦。学科の対策として前と変わったことは特にしていないのですが、何故か合格できたんです!製図の試験を受ける時は、資格学校に通うと決めていたので、前もって貯めていた貯金を使って学校に通って勉強しました。製図は初受験でしたが、プロの講師の指導もあって一発で合格!今は地元の小さな設計事務所で経験を積みながら、建築士の卵として頑張っています。


【20代・女性】
わたしは大学卒業後、ハウスメーカーに就職し設計の補助として働いていました。正直言うと当時は、なりたくてこの職業についたわけではなかったので資格を取る気はさらさらなかったんです。でも先輩に「資格を持っておけば、転職するときにちょっとは有利かもよ!」と言われ、万が一転職するとなった時に役立つなら…と思って二級建築士の資格を取ることに決めました。『難しい試験で資格学校に通わないと合格するのは厳しい』と分かってはいたものの、その時の私はお金がなかったので泣く泣く独学で頑張ることになりました。


初めて受けた学科の試験は惜しくも受からず、次の年でやっと合格。その後の製図には、仕事で設計をやっているということもありちょっと自信があったので、全くと言っていいほど勉強しないで臨みました。結果は不合格。「さすがにマズかったか…」と反省し、次の年は試験の3ヶ月くらい前から対策を始めました。もちろん独学で(笑) ・・・結果は不合格。今となっては、製図の試験を甘く見ていた自分に腹立たしいです。結局、次の年の試験ではお金を払って資格学校に通い、最終的に4回目の試験でやっと二級建築士の資格をGETすることが出来ました。



【二級建築士 製図試験の合格者から、これから受験を控える方へのアドバイス】


◎今後、二級建築士の試験を受験しようと思っている人!1回くらい落ちたからって諦めないで!5回目も受験してやっとも思いで合格できた人がいるってことを忘れないでください。落ちてもあなたは一人じゃない!(40代・男性)


◎製図の勉強を始めるのは、試験課題が公表されてからじゃ遅い。前もって早い段階から対策しておかないと、あとで後悔するのは自分!独学で勉強するなら今すぐ勉強を始めてください。資格学校に通うなら、申し込みは早めに!(30代・男性)


◎資格は取れば一生もの。資格学校に通うのはお金がかかるけど、資格を取った後に働いて取り返せる。学校に通うか独学で頑張るかは本人次第だけれど、独学で何年もかかって資格取るなら、学校に通って一発合格狙った方が効率良いと俺は思う。(40代・男性)


◎「自分で勉強スケジュールが建てられない」って人は、資格学校に頼っちゃいましょう!私もそうだったので。1回目の試験は独学で頑張ってみたけれど、勉強方法が分からなくて結局落ちました。その次の年は学校に通ったんですけれど、講師の先生の教え方がとても上手で、苦手なところも試験までに克服出来ました!授業では、同じ夢を追いかける仲間も沢山いるので、資格学校に通うの、オススメですよ!(30代・女性)



まとめ

いかかでしたでしょうか。今回は二級建築士の設計製図の試験について、お話してきました。受験者の方の意見や体験談を聞くと、「製図ってやっぱり難しいんだ…」といった印象を持たれるかもしれません。しかし、試験までに前もってしっかり対策しておけば必ず合格に近づけると思います。この記事で読んだ情報が、今後、設計製図の試験を受験される方のお役に立てれば嬉しいです。



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