【建築士の仕事】仕事内容、やりがい、大変さ、将来性は?

「建築士になって色んな建物を造りたい」「将来は建築家として活躍したい」


そんな夢や目標を持っている方!建築士の仕事は、建物を設計して造るだけが仕事ではありません。建物に住む人や利用する人の生き方・働き方・笑顔をつくり出せる、魅力あふれる職業です。では、具体的に建築士の仕事内容とはどのようなものなのでしょうか?この記事では、建築士の仕事内容ややりがい、働き方、将来性などをお伝えしていこうと思います。是非、ご覧になってみてください!



目次


1.建築士とは


2.『建築士』 『建築家』 『設計士』の違い


3.建築士の仕事内容


4.建築士の1日の流れ


5.建築士のやりがい


6.建築士になったらどんな働き方ができる?


7.建築士になるために必要な資格


8.建築士の将来性


 

1.建築士とは

TVや雑誌、インターネットなどでは、建築士の話題が取り上げられることも多いですよね。 新しい建築物が建てられたときに、建物を設計した建築士も一緒に紹介されている場面を、見たことがある方も多いのではないでしょうか。 建築士の方が造った建物を見て、「将来、わたしも建築士になりたい!」と憧れを持っている方もたくさんいると思います。


建築士のおもな仕事は、法律にもとづいて、さまざまな建築物の設計や工事の監理をすることです。住宅、マンション、ビルなど、いろいろな建物の設計をしながら、その設計をもとに建築現場で指揮・監督などの業務を行います。


また、お客様から「こんな建物を造ってほしい!」という依頼を受け、具体的にどんな建物にしたいのか相談し合ったり、予算に合った見積りをつくったりすることも建築士の仕事の1つです。「自分の住む家を、自分で建てたい」という夢がある方は、将来、建築士になればその夢を叶えることが出来ますよ!

 

2.『建築士』 『建築家』 『設計士』の違い

建築業界には、一見同じような仕事内容でも、呼び方が異なった職業がたくさんあります。例えば、「建築士」について調べていると、「建築家」や「設計士」という言葉も、一緒に目に留まったことがあるのではないでしょうか?


建築士」とは、資格の名称のことを言います。一級建築士・二級建築士・木造建築士といった国家資格を取得し、その仕事に就いている人のことです。辞書には、『建築士法に基づき、建築物の設計、工事監理などの業務を行う者。国土交通省の免許を受ける一級建築士と、都道府県知事の免許を受ける二級建築士及び木造建築士とがある。』と記されています。




建築家」は、建築士のように、資格として保証されているわけではありません。建築家と言えば、皆さんは誰を思い浮かべますか?日本では、安藤忠雄さんや隈研吾さんなどは特に有名ですよね。海外では、ル・ゴルビジェアントニ・ガウディなどが有名です。


建築家は、辞書では『建築の設計や監理を職業とする人』と記されています。建築家にとって資格の有無は特に関係なく、建築の仕事を生業としている方であれば、『建築家』と名乗る事が出来るようです。

  

設計士」に関しては、明確な定義がなく、辞書で検索しても特にヒットしませんでした。世間一般的に、設計士という言葉は「図面を描く人」という意味で使われていることが多いようです。設計の仕事を生業とする人のことを、『設計士』と捉えて良いでしょう。




建築士 : 国家資格を取得し、建築士の仕事に就いている人。
建築家 : 建築の設計や監理を職業としている人。(建築士の資格を持っていない人も含む)
設計士 : 図面を描く人。(建築士の資格を持っていない人も含む)


 

3.建築士の仕事内容

続いては建築士の仕事内容について具体的に見ていきましょう。


建築士のメインの仕事は、建築物の設計や工事の監理などです。仕事をするためには、まずはお客様がいないと始まりません。ですからまずは「こんな建物を造ってほしい!」というお客様からの依頼を受けることからスタートします。

「建物はどんなデザインにしたいか」「建物内の構造はどうするか」「予算はどのくらいか」など、建物を建てるためのヒアリングをじっくりと行います。お客様の意見やご希望などを聞き、アイデアを出し合いながら建物のイメージを膨らませていきます。その際、建物のデザインだけではなく、そこに住む人やその場所を利用する人の気持ちを考えながら、使いやすさ・居心地の良さなども考えることが大切です。

建物のイメージが決まったら、実際にイメージを形にする作業に入ります。CADという設計ソフトを使って図面を描いたり、手作業で描いたり、模型を使ったりと、さまざまな方法で建物の大体の構造を作っていきます。そのあとは、階段の場所や柱のデザインなど、建物内の細かな部分を決めていき、お客様のイメージに合うような建物の設計図を完成させていきます。

作成した設計図や予算の見積もりなどに対して、お客様からOKを貰えたら、次はいよいよ実際の施工に入ります。現場での施工は、専門の職人さんが行います。建築士は、各工事を担当する現場監督や施工管理技士の方と打ち合わせをしたり、工事全体の進み具合を確認したりします。現場の状況を見ながら、工事業者の方と相談し合い、設計を修正することもあります。

こうして工事の全てが完成したら、いよいよお引渡しです。設計書に食い違いがないか、汚れや傷などがついていないか、お客様が立会いのもとで一緒にチェックします。その後、お客様から建築にかかった費用をお支払い頂き、完成・お引渡しとなります。



簡単に説明しましたが、大体の流れはこのような感じになります。仕事内容は、就職する会社によっても変わってくる場合があります。例えば、少人数で運営している建築事務所では、依頼を受けるところから受け渡しまで一通り担当することが多いです。


しかし、大手の建築事務所の場合は、『意匠設計:建築物全体のデザイン設計』『構造設計:構造物の土台を造る設計』『設備設計:電気設備等の設計』といった分野ごとで専門的に作業を行う会社もあります。この後、6.建築士になったらどんな働き方が出来る?の項目で触れていきますが、建築士の働き方は十人十色です。独立して起業する人、ハウスメーカーに勤める人、設計事務所で働く人など、働き方・就職先はいろいろあるので、「建築士になったら、自分はどんな働き方をしたいのか」、あらかじめ検討しておくと良いでしょう!

 

4.建築士の1日の流れ

ご参考程度に、建築士になった時の「1日の流れのイメージ」をいくつかまとめてみました。


◆住宅設計の建築事務所の場合
08:00      出社
09:00      朝礼・メールチェック
09:30~12:00  担当している案件の図面作成
12:00~13:00  お昼休憩
13:00~14:00  現場で工事監督と打ち合わせ
14:30~17:00  引き続き図面の作成
17:00~     次の日の準備
17:30      帰宅


◆ゼネコンの建築部署の場合
08:00      出社・朝礼・メールチェック
10:00      見積り・工程表などの作成(内部業務)
12:00~13:00 お昼休憩
13:00~15:00 現場管理・現場調査
15:00~18:00 お客様(依頼者)との打ち合わせ
18:00~     社内に戻り内部業務・次の日の準備
19:00      帰宅


◆個人経営の建築事務所の場合
08:30      朝食・メールチェック
10:00      現場打合せ
12:00~13:00 お客様(依頼者)と会食・打ち合わせ
13:00~14:00 事務所で打ち合わせ・図面作成
17:00~     デザイナー・構造事務所などと打ち合わせ
19:30      帰宅


建築士の1日のはじまりは、メールチェックからという人が多いようです。お客様や工事業者からの連絡や、メールの返信が来ているかどうかを確認します。その後の流れは会社によって異なり、現場で打ち合わせを行ったり、図面を作成したり、お客様と会食したりなど、さまざまです。打ち合わせが長引く時や、設計図の締め切りが迫っている時などは、遅くまで残業することもあります。建築士の仕事は「流動的」と言えそうですね。

 

5.建築士のやりがい

今回、この記事を書くに当たり、建築士の資格を持った方に、『建築士のやりがい』をお聞きしてみました。将来、建築士になる事を目標にしている人にとっては、参考になるような内容だと思うので、是非ご覧になってみてください。


◆建築士になって、「嬉しかった・面白かった」と感じた場面

【住宅・公共建築物の設計、監理(30代・男性)】
依頼主の希望に合った建物を設計したり、自分のイメージしているものがカタチになったりする喜びはとても大きいです。学生の頃は「まず二級建築士の資格を取ること」に必死になっていましたが、働いてみると、その努力が報われたなっていう気がします。20代の頃よりはお給料も結構増えてきたし、これからもっと経験つめば、自分ももっと成長できると思います。今後は一級建築士の資格取得に、頑張ってチャレンジしていこうと思います!


【設計・現場管理・法規の確認など(30代後半・男性)】
自分の作品が世に残ることが一番のやりがい。あと、自分が設計に関わった建物をコッソリ見に行った時、とても大事にキレイに使われていて、なんだかとっても嬉しい気持ちになりました。納期を守るために必死にがんばって設計した、思い入れのある建物だったので、その時に感じた嬉しさは、今でも仕事をするときの原動力になっています。


【大規模施設建築の設計・監理(40代・男性)】
下積み時代は大変でした。でもそれがあったからこそ今頑張れていると思います。「自分の設計した建物が建つこと」が、やりがいなのはもちろんですが、現場でいろんな業種のリーダーになって仕事を完遂させられることも、自分にとっては大きなやりがいです。設計図通りの施工が出来て、問題なくお客様に引き渡しが出来たときは一安心します。自分も、工事の現場監督も、お客さんも、みんな笑顔になる瞬間が好きです。



◆建築士になって、「大変だった・きつかった」と感じた場面

【設計・物件調査(40代・男性)】
正直言うと、忙しい時は家に帰れないこともあります。特に設計の締め切りが迫っている時は、気がついたら朝だったっていうことも・・・。あとはとにかく知識が必要なことですかね。建築士の資格を持っていても、毎日学ぶことはあるし、法律を覚えるのも一苦労です。残業が多い職業だと思うけれど、その分やりがいがあるから、みんな辞めずに続けられるんだと思います。


【設計・現場管理(30代後半・男性)】
とにかく残業・・・(泣) お客さんと建築の相談をしたり、打ち合わせしたりするときは幸せな時間です。でも実際に設計の作業に突入したら、毎日が必至!「本職が設計なのに何を言っているんだ」と言われそうですが、大変なものは大変なのです・・・。自分のアイデアが設計に活きたり、形になって残ったりするのはもちろん嬉しいですが、たまにはゆっくり時間をとって家族サービスしたいですね。


 

6.建築士になったらどんな働き方ができる?

2.『建築士』『建築家』『設計士』の違いの項目でもお伝えした通り、建築士とは、「一級建築士や二級建築士、木造建築士の資格を持っている人」とされています。ハウスメーカー・設計事務所・工務店など、建築士の資格を活かせる仕事はたくさんありますが、実際にどんな就職先があるのか、いくつかご紹介したいと思います。


◆設計事務所
設計事務所には、少人数のスタッフで運営している個人事務所や、全国展開している大手の設計事務所などさまざまあります。個人事務所の場合は、設計事務所によって住宅・マンション・学校・店舗など、得意とする分野をもって運営している場合が多いです。それに対して大手の設計事務所は、分野を問わずどのような建物にも対応していることが多いようです。


設計事務所の求人を見てみると、大手企業の場合、新卒採用ならば「大学または大学院卒」、中途採用の場合は「一級建築士または二級建築士・木造建築士の資格を持った人」という条件がほとんどです。個人事務所の場合でも、「建築について学校で学んだことのある方」「建築士の資格を持った方」という条件です。建築士に憧れる人はたくさんいますが、夢を叶えるには並々ならぬ努力が必要だと言えるでしょう。


◆ゼネコンの設計部署
ゼネコンに就職した場合は、自社の案件を設計することが多いと考えられます。建築する建物は、民間の個人・法人企業など多彩です。ゼネコンと設計事務所との違いの1つに「意匠設計」を重視するか・しないかといった点が挙げられます。ゼネコンの場合は、堅実さのある施工を重視していることが多い様なので「意匠を重視した設計がしたい」という人は、設計事務所の方がオススメです。


◆ハウスメーカー
ハウスメーカーには、全国展開している大手企業から、その地域の特色を活かした建築を行う企業まで色々あります。大手ハウスメーカーの場合、設計・CAD・積算など、いくつかの部署に分かれている事もあり、就職した場合はいずれかの部署に配属されるかたちになるでしょう。採用に関して言うと、そこまで条件は厳しくなく、学歴が高卒でもOKな求人や、資格が無くても設計に関する業務経験が数年あればOKといった求人もあります。設計事務所やゼネコンに比べると、就職はしやすそうと言えそうです。


◆工務店
工務店と言っても、会社の規模によってはさまざまあります。例えば、ゼネコンの竹中工務店は、工務店と付いていても郡を抜いて有名ですよね。ここで言う工務店は、「地域密着型の小規模な会社」だと捉えてください。工務店は、お客様から直接依頼を受けて設計・施工するだけでなく、ハウスメーカーやゼネコンの下請けとして案件を請ける場合もあるようです。


工務店に就職することの良い点は、地域に貢献できるということだと思います。ただし、小規模で経営している会社なので、就職に関して言うと、そこの会社に空きがあるか・無いかで就職の難しさは変わってくると言えそうです。


いかがでしたでしょうか。建築士の資格を活かせる仕事と言っても、このようにたくさんあります。どんな働き方をしたいかによって、進学先や就職先など、進むべき道は異なると思うので、「自分の目標を叶えるには、どこに就職したらいいのか」をイメージしておくといいでしょう。

 

7.建築士になるために必要な資格

繰り返しになりますが、建築士として働くには国家資格が必要です。ここでは建築士の資格の種類を簡単にご紹介したいと思います。


一級建築士
一級建築士の資格は、国土交通省から認可を受けている国家資格です。資格の特徴は、設計する建築物に制限がないことです。高層ビルから住宅、商業施設、学校など、ほとんど全ての建築物の設計・工事監理を行うことができます。


建築士として活躍したい方でしたら、一級建築士の資格取得を目指している方もたくさんいるでしょう。しかし、資格試験の合格率はわずか10%程度とほんの一握りの人しか合格できない、非常に難易度の高い資格です。



二級建築士
二級建築士の資格は、各都道府県が免許を交付する国家資格です。資格の特徴は、一般住宅などの戸建て住宅程度を規模とした建築物の設計・工事管理を行うことが出来ます。木造建築物なら3階建てまでが基本OKで、建物の高さが13m、軒高が9mを超える建物は設計出来ません。また、延べ面積も1000㎡以内の建物までとなっています。鉄筋コンクリート・鉄骨造の建築物に関しては、高さ13m・軒高9m以下で、延べ面積300㎡までの建築物であれば、設計・工事監理はOKとなっています。


資格試験の合格率は20%台で、一級建築士よりは取得しやすいと思いますが、それでも「10人中2人しか受からない資格」なので、難易度は高いと言えます。建築士を目指す方は、まずは二級建築士の資格取得からチャレンジする方が多いようです。



木造建築士
木造建築士の資格は、各都道府県が免許を交付する国家資格です。資格の特徴は、木造1階~2階建て<で延べ面積が300㎡までの建築物の設計・工事監理を行うことが出来ます。過去5年間(H25~H29)の資格試験の合格率の平均は、34%で、建築士の資格の中では、一番合格を狙いやすいです。しかし、設計・工事監理できる建築物は木造に限るので、一級建築士や二級建築士と比較すると、仕事の幅は狭くなります。



2006年からは、上記の3つの資格の他に、『構造一級建築士』『設備一級建築士』という2つの資格も追加されました。高度な専門技術を持つ建築士の資格として、国土交通省から認可を受けている資格です。どちらの資格を取るにも、一級建築士としての実務経験等が必要になります。

 

8.建築士の将来性

最後に、建築士の将来性について簡単にお話ししたいと思います。

みなさんもご存じの通り、2020年夏には東京オリンピックが開催されますよね!その影響で、今、建設ラッシュが来ています。 鉄道や高速道路などのインフラ設備だけでなく、商業施設やホテルなど観光客が利用するであろう、多くの建物を建設中です。


また、都心部では再開発、地方では地域の活性化を目的とした建物の建設が進んでおり、 しばらくの間は、建設業界の需要は続くと言えるでしょう。建築士登録者の年齢層は50代・60代が最も多く、年配者が増えて来ています。経験や知識が重要視されている建築業界では、経験豊富なひとが重宝されるイメージが強いようですが、実は20代の方が希少価値は高いです。


今後、50代・60代の方で、20年・30年先の建築業界を、現役で引っ張っていける建築士は、ずいぶんと減ってしまう事でしょう。そんな時に活躍を期待されるのが、今の若い世代です。人材不足と言われる業界ですが、建築士になるための参入障壁は高いので、20代のうちに一級建築士まで資格を取っておけば、必ず有力な武器になるでしょう!



まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回の記事では、建築士の仕事内容ややりがい、 将来性などについてお伝えしてきました。この記事で得た情報が、今後、建築士を目指す方のお役に立てる事をお祈りしています。



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